保護される動物と、駆除される動物(3)
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作成日時 : 2008/07/01 14:11
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動物の側に立って思うことの続きですが、いろいろと思いを巡らせていきますと、保護されるべきものと、駆除されるべきものとの関係が、そう簡単ではないということに気づきます。駆除されるべきものは、鹿、ヤギ、マングース、アメリカザリガニ、ブラックバス…と次々に浮かんできます。それに対して保護されるものは、トキ、アホウドリ、イヌワシ、シマフクロウ、ヤマネコ(イリオモテ、ツシマ)、奄美のクロウサギ、ルリカケス、…。こちらもかなりの数に上ります。
保護される側の代表は鳥類では、何といってもトキですね。これは佐渡島の佐渡トキ保護センター内のケージと中の様子です。08年6月27日現在、国内でのトキの飼育総数は122羽で、そのうち今年産まれの幼鳥は28羽だそうです
さて今日は、駆除される側の代表例として、マングースを考えてみましょう。沖縄から奄美大島にかけては、ハブが人間の大敵です。対症療法としての解毒血清の開発と同時に進められたのが、ハブそのものの駆除で、人間が捕獲するのに加えて、天敵のマングースを沖縄や奄美の島々に放ったのです。
残念ながらマングースの写真はもっておりませんので、奄美大島で出会ったハブをご覧にいれます。マングースは検索するとたくさんの写真がアップされていますので、ぜひその可愛い姿と表情をご覧ください
マングースはインド原産の雑食獣で主にネズミや鳥、昆虫などを捕食するのですが、コブラの天敵としても知られていました。日本には1910年、インドから輸入された21匹のマングースが沖縄本島に持ち込まれたのが始まりだそうです。マングースがハブに咬まれてもその毒に負けず、敢然と戦い最後にはハブの頭に食いついて仕留める、ということは実験で確かめられたので持ち込んだのですね。
ところが、マングースは野生の状態では進んでハブと戦うことはなかったのです。ハブよりもニワトリやアヒルなどの家畜や野鳥などを、好んで捕食しました。こちらのほうがハブよりおいしそうですものね。そして、予想通り彼らの繁殖力は強く、どんどん増えてしまいました。その結果、絶滅危惧種の奄美のクロウサギやルリカケスも被害に遭うという事態に陥っているわけです。
こうなると、今度はマングースを駆除しなければならなくなってしまいました。捕獲して役所に持ち込んでもらえる金額も、今ではハブよりもマングースのほうが高くなっているそうです!! 昨日の益獣から今日の害獣へとマングースの立場は逆転してしまったのです。
マングースに捕食される危険にさらされている、奄美のクロウサギ。夜行性なので生きている姿はなかなか撮れません。これは剥製です
マングースに襲われる側の動物にとっては、マングースは駆除して欲しい敵でしょう。しかし、人間の都合で遠くの異郷に連れてこられ、役に立たないから駆除される、それはマングースの立場から考えると、きっと“なんで、なんでなの?”でしょうね。はたして人間のやっていることは、これでいいのか、と思わざるをえないのです。
小笠原のヤギにしても、最初は2頭か4頭、乳や肉として人間が食糧にするために持ち込んだものです。それが、放し飼いをするうちに繁殖し、まあいいかと思っているうちに、どんどん増えて手のつけられない状態になってしまったのですね。
あっ、そういえば、小笠原はつい5日ほど前に「大記念日」を迎えました。第2次世界大戦の敗戦によって、激戦の地であった小笠原諸島はアメリカ軍の統治下に置かれたのですが、悲願がかなって1968(昭和43)年6月26日に返還されました。今年はそれからちょうど40年という節目の年だったのです。この40周年を記念してさまざまなプロジェクトが展開されつつありますので、それはまたあらためてお伝えすることにします。
話を保護される動物と駆除される動物に戻しますと、この際、保護される側の動物は、とりあえず問題はないのです。人間の身勝手な都合で絶滅の危機に瀕した彼らを、人間が心から反省して保護に当たるのですから、その成功を祈っていればいいだけです。新聞、テレビなどの報道も弱い(と思われている)動物には非常に手厚いので、どんな無関心な人でも強制的に(!!)気づかされてしまうほどです。
問題なのは人間の都合によって駆除される側の動物ですね。ここで結論を出すつもりはありません。ただ、どの種が保護され、どの種が駆除されるべきなのか、またその保護や駆除はどうあるべきなのか、ということを人間は常に考えていなければいけないと思います。そして離島には特に、絶滅の危機に陥っている動植物が多く、またそれに対する駆除対象動物も多いので、本土地域より問題は一層切実なのです。
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