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小笠原を知る一級史料130年ぶりに復刻、「小笠原島要録全4編」〜平均年齢80歳の歴史愛好家が復刻編集

<<   作成日時 : 2008/05/20 15:48   >>

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 少し前のことになりますが、3月26日読売新聞朝刊の「小笠原描いた古文書復活 北区の男性ら5年がかりで解読」という見出しが目に飛び込んできました。平均年齢80歳の男性歴史愛好家たちが、5年をかけて小笠原諸島の古文書を復刻し、その全4冊が出版されたという記事でした。

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 小笠原島内務省出張所初代所長 小花作助著 「小笠原島要録」全4編

 この古文書は、明治新政府が1876(明治9)年に開設した、小笠原島内務省出張所の初代所長、小花作助(1829〜1901)が残した公文書です。日本が小笠原を領有するにいたった経緯や、日本同様に領有化の思惑を抱いていた諸外国とのやりとり、すでに居住していた欧米系島民への対応などが詳細に記されたもので、まさに小笠原の歴史を知るために、無くてはならない第一級の重要史料なのです。
 読売新聞の記事によりますと、小花作助の子孫の方が自宅に保管していた原本を、小笠原村教育委員会に寄贈し、これが1990年に東京都の有形文化財に指定されました。ところが和紙に筆で記録された文書は、文字の判読が難しく、また膨大であることもあって、原本はそのまま小笠原村教育委員会の書庫に眠り続け“死蔵”状態にありました。
 これに着目したのが、専修大学付属高校校長で日本史が専門の鈴木高弘さん。都立高校教員時代に小笠原村に赴任し、この古文書の存在を知った鈴木さんは、かねてから復刻を夢見ていたのですが、忙しくて手を付けられないでいたのです。

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    「小笠原要録」完成を伝える、3月26日読売新聞朝刊の記事 

 ここに登場するのが、鈴木さんが主宰する古文書解読サークルのお仲間たち6人なのです。全員東京都北区に住んでおられます。敬意を表する意味と熟年者を激励する意味から、年齢つきで紹介しますと、森谷宏さん(89)、長坂文吉さん(81)、小原俊幸さん(79)、細谷士武弥さん(78)、江口浩平さん(76)、斉藤博さん(75)。
 皆さんは10年ほど前から鈴木さんの指導を受けて、古文書を読む勉強を続けてきたのです。それで“師匠のためにひと肌脱ごう”ということになったのだそうです。全員が年金生活者で、「我々には時間だけはある」「古文書解読はボケ防止にいい」などと意気軒昂で着手したのですが、1000枚近い紙に細かい字でびっしりと書き込まれた古文書との取り組みには、想像を超える難しさが待ち受けていました。字体が読みにくい崩しである上に、中には現在では使われなくなった言葉や文字もあり、解読作業は難航を極め、1日10時間以上机に向かうことも珍しくなかったといいます。

 こうして復刻された「小笠原島要録全4巻」には、興味深いエピソードが数多く記載され、鈴木さんは「「日本の領有化事業の曙が分かる貴重な資料が、誰でも利用できる形で世に出された意義は大きい」と話されています。そして、6人の熟年歴史愛好家のご苦労に感謝を込め、本欄から盛大な拍手を送りたいと思います。
 折から、今年は小笠原諸島が第2次世界大戦敗戦後の米軍統治下から、1968(昭和43)年6月26日に日本に返還されて、ちょうど40周年を迎えます。さまざまな記念行事がすでに始まっています。7月4日(金曜日)には父島で「小笠原諸島返還40周年記念式典」が行われます。ぜひ、この記念の年に小笠原にお出かけください。そして「要録」もお読みください。

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「小笠原島要録全4編」 定価6000円 
編集・校閲:鈴木高弘 発行:小笠原諸島史研究会
発行所:東京都江東区北砂5−20−18−1514 
電話・FAX:03−3615−4463
問い合わせは、購入申し込みは:
財団法人小笠原協会 電話:03−3432ー4921

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コメント(4件)

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年齢に負けそうな熟年者が多い中で、こんな立派な仕事を、何年も続けている人たちがいるのは、おおいに励みになります。
桐太
2008/05/27 06:59
立派な仕事をしている高齢者男性に感動しました。自分たちも何か世に残るようなことをしたい、と話し合ってます。
土着猛者
2008/05/27 14:02
年金生活に不安がない世の中を作ることが必要ですね。そうすれば安心して老後もいろいろな事に打ち込めます。
あきとよ
2008/06/13 07:01
こういう仕事があったとは知りませんでした。アメリカから返還されて40周年、今朝はNHKテレビで小笠原を見ましたが、このような本が出ていることも知らせてほしいと思う。私は記念に入手して読んでみようかと考えています。
アルバトロス
2008/06/26 13:21

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