隠岐島で牛突きの初場所大会
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作成日時 : 2008/01/29 14:48
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大相撲初場所は久々に手に汗握る好取組の連続でした。しかも、千秋楽は相星(同成績)で東西の横綱がぶつかり、優勝を争うという願ってもない運び。もうみなさんご存知の通り結果は、東の横綱白鵬が、あの西の問題児(?!)横綱朝青龍を力相撲の末、鮮やかな上手投げで仕留め、見事な3連覇を達成しました。
う〜ん、島には直接関係のない話なんでありますが、私はこう思いましたね。白鵬も立派だけれど、朝青龍も立派だった、と。壮烈な非難の嵐のなかで、並大抵の精神力ではあれだけの相撲は取れない。相撲は強力な瞬発力を要する激しい肉体運動ですから、稽古だって見えないところで相当厳しくやっていたに違いありません。
まあ、相撲を単なる格闘技とみるか、伝統芸能と見るかは難しい問題ですが、今の時代に力士に過大な“品格”を求めるのは行き過ぎではないか、と思うんです。他人の品格を云々する前に自分の品格をどうにかしてほしい、って人がいっぱいいますからね。
さてさて、島であります。隠岐島です。隠岐は相撲の盛んなところですが、今回は人間ではなく「牛」の初場所の話です。牛というと多くの人は闘牛を思い浮かべますが、隠岐では「牛突き」といいます。
承久の乱(1221年)に敗れて隠岐に流罪となった後鳥羽上皇をお慰めするために始まったのが起源と伝えられています。もう780年を超える伝統があるわけです。その牛突きの初場所大会が1月13日、隠岐の島町池田の「隠岐モーモードーム」で行われました。そうです、昨年2月の火災でほぼ全焼という大被害を受けた、隠岐国分寺のすぐそばです。
精悍な黒い牛の巨体がぶつかり合う激しい音がドームに響き渡るのは、私も実際に聞いたことがありますが、体の芯にまで波動が伝わるような強烈な迫力があります。
どうです、この筋肉隆々の黒光りする巨体。頭でぶつかって突きあう迫力はすさまじいものがあります。でも手綱をもって戦わせますので、致命的な手負いとなることはありません。
この初場所は全隠岐牛突連合会が、新春の顔見せとして開催したもので、体重500〜900キロの24頭が出場しました。300人の観客が巨牛の激突を楽しんだそうです。そこからが泣かせますよ。え〜つまりですね、新年早々から勝負をつけるのは縁起が悪いので、12番の取り組みは全部あらかじめ引き分けとなるように組まれた、というのです。
人間が取り組むあの有名な「隠岐古典相撲」も、簡単にいうと2番取り組んで最初の勝者は次の勝負では負けることになっているんですね。同じ島に住む者が醜い争いを起こすことがないように、という配慮からのようです。まあこの隠岐古典相撲は別項「ゆっくりと島巡り」で触れることにしますが、相撲というのは昔から、芸能的要素と神事に近い要素が融合された、独特の格闘技なんですねえ。それを隠岐は牛でも人間でも、よくその要素を残しています。
今日のように、スポーツが盛んになり、あらゆる競技で勝ち負けが必要以上に注目され、勝者とその周辺の組織に大きな社会的、経済的メリットが生じるようになると、相撲だけが別世界のものとして存在し得るのかどうか、これは非常に難しい問題です。横綱審議委員会のオエライさん、特に朝青龍に厳しいあの女性委員には、そのあたりから考えて発言するなり書くなりしていただきたいものですねえ。
牛突きのメインスタジアム「隠岐モーモードーム」。スペインの闘牛場に入ったときと同じような興奮を覚えるのは、人間の戦い好きな血が騒ぐからでしょうか
ところで、こんな記事を用意していましたら、大相撲が今年秋10月23日に巡業で「隠岐の島町場所」を行うというニュースが飛び込んできました。正式には2月中旬の正式契約を待たなければなりませんが、もし実現すると隠岐での大相撲巡業は30年ぶりのことだそうです。楽しみですねえ。
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