文化の日、小沢昭一さんの対談集を読む
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作成日時 : 2007/11/03 14:45
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今日はなぜか小沢昭一さんの登場です!! 1929年東京生まれ。舞台、映画、テレビ、ラジオなどで活躍されるほか、民衆芸能の民俗学研究に独自の道をひらき…、こんなことはもうとっくにみなさんご存知ですね。なぜ今日、小沢昭一さんかといいますと…。
先日、常々その顔を見るのも汚らわしいと思っていた、女性占い師のテレビ番組に出演されると新聞の番組欄で知り、留守録をし、命がけでを飛ばし見しました!! 小沢さん、たしかにご出演されていたのであります。しかし、例のとぼけた調子をさらに増幅して、占い師を適当にあしらっている、と見てとれたので、少しホッとしました。でも、ハーモニカの演奏までして…。やはりこの世代の芸人は、お客様へのサービス精神だけは、どんな場所でも無くさないのですね。さすがだ、と感心しました。
さて、今日ご紹介したいのは、その小沢さんの座談集「昭和〜平成 小沢昭一座談(全5巻、晶文社」です。その第4巻「こんばんわ小沢です ― へへへ」を寝転んで読んでおりましたら、こんな文章が目に飛び込んできて、思わず起き上がりました。
「たとえば小豆島でも佐渡島でもいいんですが、どこか島をいただいて、そこへ芸能人は移り住む、家族ともども。そして、申しわけないけれども、日本国の憲法とか倫理観とはちょっと違うわれわれの暮らしの憲法をつくる。芸をするときだけ本島へ来て、仕事をして、サッと島へひきあげるという体制をつくらないと……。」
「街の何が変わったのか」の一節で、対談者は評論家の安田 武さんです(初出「世界」85年12月号)。これは、当時の市川團十郎襲名興行について、宇野信夫さんが「芸は二の次だ。とにかく元気があっていい」と書かれているのに対して、安田さんが、「そんなこといわれちゃ高い特別料金払って観に行った人の立つ瀬がない」と反発されたのに触発されて出た発言なんです。
小沢さんは、芸の低下は歌舞伎にとどまらない、芸一般に雪崩現象的に及んでいる。この傾向は特にテレビが出来てから目立つ。なぜなら、むしろ芸があったらブラウン管には邪魔なんだ、と嘆くのです。その解決方策として、芸能人島移住を説いた、というわけですね。佐渡島、小豆島は離島の中でも大きな島で、素晴らしいところですが、それはひとつの例として引き合いに出されているのです。
佐渡島トキ保護センターに隣接する「トキの森公園」
そして、ことは芸能界にとどまらない、というのが島旅人の思いです。今日、テレビをつけると、どのチャンネルでものべつ幕なしに、お笑い芸人を含む芸能関係者が、集まってはバカ騒ぎをしている。しかしこれは、実はあまり問題ではありません。テレビを消してしまえばいいのですから。
問題は、日常全般の環境です。自然、家庭、学校、会社、お役所、政界……。その質の低下、混乱、崩壊ぶりは、どこから手をつけたらいいのか、もう誰にもわからないぐらいのレベルに達しています。
放っておくしかないのかもしれませんが、島を旅していてふと、思うのです。
「せめて子供や、小学校の先生だけでも、島留学、島移住すれば、ずいぶん変わるのではないか」、と。
人間は自然から隔絶した人工的環境に長くいると、精神的に大きなダメージを受けるものです。かつての日本人が、もう少しまともであったのは、貧しいながらも暮らしのすぐそばに、山や川、海、林、森、池、沼…という自然があって、その懐に抱かれて生きてきたからではないか、と思います。もう一度、そこに戻らなければ、「人」と「人の社会」は健全を取り戻せないのではないでしょうか。
そんなことを思うときに、日本には島が無数といっていいほどたくさんあることを思いだしましょう。そういえば今日は「文化の日」でしたね、テレビを観ず、ゲームをせず、家族みんなで島を「人間再教育」に生かす方法を考えてみようではありませんか。
ボンビバンの佐渡島連載はこちら
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